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しかし、この当時の日本は、政策的に預金に対する金利を低く抑えることによって、その分企業への貸出金利を低く抑えたのである。
このような政策に大きな役割を果たしたのが臨時金利調整法(以下臨金法)である。
臨金法はもともとは第二次世界大戦後の激しいインフレーションのなかで、金利が高騰する危険を防ぐために1947年に制定された。
臨金法は、「大蔵大臣は、当分の間、経済一般の状況に照らし必要があると認めるときは、NG銀行政策委員会(NG銀行の最高意思決定機関)をして金融機関の金利の最高限度を定めさせることができる」としている。
臨金法制定により、銀行が適用する貸出および預金金利は、臨金法で定められた最高限度の範囲内で決められるようになった。
預金金利については、臨金法やそれに基づく行政指導およびNG銀行のガイドラインによって、預金の種類・期間ごとに最高限度が実質的に決められ、意図的に金利水準は低く抑えられた。
日本の預金金利は長い間、市場メカニズムとかけ離れたところで政策的見地から決められていたのである。
このような人為的な低金利政策について、一概に善し悪しを評価することはできない。
しかし、効率的に重点産業に資金が供給されることによって、高度成長に貢献することができたという明の部分と、その一方で預貯金金利が低く抑えられたため、預金者が本来受け取るべき金利が必要以上に低く抑えられた暗の部分もあった、ということはいえるかもしれない。
いずれにしても、このような人為的な低金利政策を維持できたのは、国内と海外との金融市場が分断されていたためであり、金融の国際化が進展するにつれて、このような市場メカニズムからかけ離れた金融政策は次第に問題を引き起こすようになっていった。
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